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今回取材でお邪魔させて頂いたのは、東吾妻で大人気のパン屋「パン工房あにまーと」さん。
実はあにまーとさんは、障害者施設の利用者さんが働ける場としてオープンしたお店なんです。

いまこのお店が地元で大人気！ということで取材に伺ったのですが、実際取材をさせて頂いている間もお客さんが次から次へと来店・・・一向に途切れることがない様子を目の当たりにしました。

なぜそんなに人気があるのか？今回はそんな「パン工房あにまーと」の人気の秘密と、お店ができるまでの経緯を伺ってきました。

24時間営業・無人販売でも大人気！

こちらのお店はパン屋さんには珍しく「24時間営業」をされており、更に驚くべきは「無人販売」をされている点にあります。

無人販売というスタイルは「施設の利用者さんが安心して働けるために、限られた環境の中でいかにお店を発展させていくか？」という課題の中で生まれたアイデアでした。

パン屋さんで無人販売となると、ちゃんとお金を払ってもらえるのかつい心配になってしまいますが・・・お店の方に直接聞いたところ「大丈夫です。誰も無断で持って行ったりしていませんよ（笑）」とのこと。

この方法を取り入れたことにより更にお客さんが増え、現在では焼いても焼いてもパンが足りないのだとか。まさに地元住民との信頼で成り立つ、画期的な販売スタイルですね。

またスタッフさん曰く「この東吾妻エリアでは朝早い時間にコンビニがやっていないんですよ・・・なので朝早くから来店されるお客さんも多いんです。また最近ではお客様の要望もあり、パン以外に即席の味噌汁を置いたところ沢山買って頂けますね」とのこと。

地域の特性に加え「画期的で面白いアイデア」がお店の人気の秘密なのでしょうか？

地元住民からの期待に応えて・・・

「残念ながら福祉業界は『安い給料で我慢して働くのが当たり前！』と思われている・・・しかし、本来はしっかりした待遇で迎えないと、本当に良い人材は集まってくれません。そうなってしまうと、利用者さんも安心して生活できないという悪循環が生まれてしまいますよね。地域で選ばれる施設になるために、利用者さんに喜ばれる場所にしたい。」

そう語って下さったのは「特定非営利活動法人 吾妻の福祉を推進する会」の工藤卓宏理事長です。

パン工房あにまーとさんは、吾妻の福祉を推進する会が運営されている「障害者福祉施設あにまーと」の利用者さんが働く場としてつくられました。

そんな施設ができた大きな理由は「町と住民からの強い要望があったから」とのこと。当時はまだ施設ができる前にも関わらず、複数名の方から利用希望が入るなど、地元住民からも強い要望があったそうです。そんな様子を見ていた工藤理事長が、町と地元住民の要望に応え「だったら障害者の方が働ける場を作ろう！」という想いで開設に至りました。

利用者さんが安心して働ける場作り

今回、利用者さんがパンを作っている風景も見させて頂きましたが、皆さんとてもテキパキと仕事を進められていました。

しかし、中には過去に「仕事ができないという理由で、他の職場では受け入れてもらえなかった」という利用者さんもいたとのこと。その方は過去の経験から「ミスをしてしまうと、また働けなくなるんじゃないか・・・」と思ってしまうようになったそうです。

そんな時、お店では常に利用者さんに対して「働けなくなるなんてとんでもない。むしろあなたがいないとお店が回らない」と伝えてあげるのだそうです。そうすることで利用者さんに自信がついて「働く前までは全然喋らなかった人が、今ではすごく喋るようになった！」という状態になったとのこと。

そんな非常に活気あるあにまーとさんですが、実は最初の段階ではそこまでお店を大きくする計画ではなかったという話も・・・でも実際にお店をオープンしてみたら、様々な場所から求められるようになり、気づけば「人手を増やして、焼いても焼いてもパンが足りない！」という状況になっていったとのこと。「福祉」という側面と「パン屋さん」という側面の両方から、地元住民に選ばれていったんですね。

「パン工房あにまーと」の人気の秘密・・・それは無人販売という画期的なアイデアもさることながら「地元から求められ、利用者さんが自信を持って働ける場としてオープンしたパン屋さん」という背景が1番の要因なのかもしれません。

強い想いがある場所には沢山の人が集まる！そんなことを今回の取材から感じました。
またお店では日々、施設の利用者さんによって色んなパンが作られていますが、そんな中でも今後の目玉商品となりそうなのが「デビルズタンバーガー」です。